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2012年4月2日 10:45

『南海トラフ地震』による新被害想定が発表されました。

これにより、私たちは、自分自身や家族の命をどう守るのかを考えつつ、

また、今の生活をどのように守ってゆくのかを考えつつ、一般的には、

一番大きな資産であろう 『不動産』 の所有形態を考えて行かなければ

ならなくなりました。

 

努力により形成された資産をどのように子孫に残すのか。

それが不動産であった場合、5年先、10年先だけではなく、もっと先を

見越して所有形態を考えなければならなくなりました。

 

新被害想定に対する受けとめ方にもよりますが、これまで我々が考えて

いた時間軸、特に『不動産を所有する』ということに対する時間軸は、

今後明らかに、少しずつ変化して行くものと考えています。

 

とにかく被害を受けてはならない公共機関の所在についてですが、

急には無理ですが、少しずつ、その位置を安全な場所へ移設する

という方向性にならざるを得ません。

50年かかるのか、100年かかるのかも分かりません。

ですが、被害想定が公式発表であるが故に、その想定された被害が

実際に起こるかどうかは全く別問題として、公共機関はその動きを

しなければならないはずです。

 

公共機関の所在が移るということになれば、これはもう、街のそものが

移動することを意味します。

地価は、様々な要因で形成されているはずですが、まず、人が多く集まり、

そして商業性が高くなる場所の地価は高く、そして、その商業性の高い

場所に対して、ほど良い距離で、良好な住環境を保つことができる住宅地

の地価は高いものです。

 

明治時代に首都圏に土地を持っていた人と、地方に土地を持っていた人、

時代の変化と共に、この100年で資産の差は大きくなったはずです。

これからの100年、ひょっとしたら、そんな大きな地価分布地図の変化が

起きるようにも思えてなりません。

2010年7月7日 15:59

このような経済事情の中、何らかの借入を返済するために不動産を売却し、

その売却代金で返済に充てるようなケースもあろうかと思います。

 

一般的には、借入返済の為の不動産売却であったとしても、不動産譲渡により

利益が出た場合、不動産譲渡税が発生いたします。

ただ、他人の借金の返済の為に、自分の所有する不動産を譲渡し、その売却代金

をその方の借金返済に充てた場合、譲渡税が減免される場合があります。

 

私も過去にこのケースで、譲渡税が減免される仕事をしたことがあります。

勿論、いくつかの要件が満足していない場合は、この減免を受けられないので、

税理士等に十分な相談をしてから不動産売却をすべきであることは間違いあり

ませんが、一番大きな要件は、『返済をしなければならない当事者が、将来的に

返済能力がないと判断されること』というものです。

 

借金を返さなければならないA氏の為に、B氏が自己所有の不動産を売却して、

A氏の借金返済に充てる場合、本来、助けてもらったA氏がB氏にお金を返して

行けば良いはずであろう・・・というのが基本概念です。

しかし、A氏がご高齢かつ破産に近い状態であるとか、A氏が法人格であって、

倒産状態にあるという場合、A氏(A社)は将来的にB氏に返済して行くことは、

常識的に不可能と判断せざるを得ません。

このような場合に、B氏の不動産譲渡税が減免されるケースがあります。

 

B氏側にしっかりした税理士がついていれば安心ですが、意外にこの減免措置を

見逃してしまう事もありますので、是非、念頭に置いておくべきでしょう。

2010年5月15日 13:53

亡くなられた方、すなわち被相続人が不動産を所有しておらず、現金や

有価証券だけの場合とは異なり、不動産を所有しているような場合、

相続で遺産分割をする作業は結構大変です。

 

何故なら、不動産は細かく分割することが難しいからです。

 

多くの場合、定められた相続配分により、遺産を配分するために不動産を

売却し、現金化して配分しようという提案が出されます。

そこで一番困る人は、相続財産となっている不動産に住んでいる相続人

と、そのご家族です。

最後までお婆様と一緒に住んでいたとか、そんなケースです。

場合によっては、相続分割により、長年住み慣れた家から退去しなければ

ならないこともあります。

 

居住用3000万円控除が利用できるとは言え、お金だけもらって、ハイ出て

行ってください・・・、と言われるのは正直辛いものがあります。

可能な限り、その相続人の住まいの部分だけ切り離し、残してあげたいもの

ですが、土地の形や道路付け、家の配置などで、そうそううまく切り離しが

できるケースは多くありません。

また、その切り離しができたとしても、全体を売却した場合の坪単価と、

切り離して残った土地の売却坪単価では、後者の方が安くなってしまう

ケースが多いのも事実だと思います。

 

そんな時、一番大事なのは、相続した不動産には住んでいない、他の

相続人たちの、温かい心遣いではないかと思っています。

民法は、ドライに判断すれば、金銭的に公平な配分基準を指示するもの

だとは思いますが、長年住みなれた場所を離れる・・という心の痛みや

寂しさを説いてくれるものではありません。

相続財産は、そもそも自分で稼いだお金ではない、そんな達観した気持ち

も持ちつつ、一番困ってしまうであろう相続人に対して、気遣ってあげて

戴きたいと思っています。

2010年4月5日 12:46

不動産の価格は様々な要因で形成されるため、売却可能な価格を調査する

価格査定は、その査定者によって少なからず変動します。

特に土地・戸建ての価格は査定者により大きく変動する傾向があります。

そういった事実を理解していても、『この査定は明らかに高いだろう』と思う

査定報告を目にすることがあります。

 

売主は高く売りたい気持ちが強いですから、複数の不動産会社に査定を

依頼した場合、どうしても高い査定に希望を託すことになりがちです。

その結果、買主の目線よりもはるかに高い価格で売り出しをした場合、

どんなマイナスが発生するでしょうか?

 

これは、時間の経過とともに、不動産相場が下がってしまう時代には

非常に大きなマイナスを発生させます。

査定を依頼した時点では、1億で売却可能であった土地を、1億2000万円

で売り出したとしましょう。

ただでさえ、不動産相場が下がっている中、買主の目線には非常に高く

感じられ、売れないまま時間だけが経過します。

 

数ヶ月後、以前でしたら1億で売却できたはずの土地が、9000万円で

しか売却できない相場になっていた場合、その数ヶ月の時間的浪費が

1000万円の損を生じさせる結果となります。

お客様である売主が悪いのではなく、高く売れるはずだと誘導した不動産

会社の責任であると、私は思います。

 

平成初期のバブル崩壊後の約10年間は、こんなことが多く存在しました。

更に拙いのは、『中々売れませんねぇ。少し値段を下げましょう。』という

アドバイスを受け、相場が9000万円である状況において、また1億1000万円

という値段で価格改定するなど、常に相場下落の後追いをしてしまうケースです。

このような、不動産相場が下落基調の時代は、売主の売却理由と、売却

しなければならない期限をしっかりと理解し、どのように売却活動してゆく

べきなのかをアドバイスしてあげなければなりません。

 

現在はどんな不動産相場でしょうか?

買主は、『まだもう少しは下がるだろう』と思っている方が多く、

売主は、『もう底値なので、今後は上昇するに違いない』と思っている方が

多いような気がします。

判断するに難しい時期かもしれませんが、今、間違いなく売却できる価格を

売主に報告することは、売主の判断を誤らせないためにも、大変重要なこと

だと思っています。

そして、売主とも十分な打合せをして、売却活動の価格(売り出し価格)を

決定すれば宜しいのではないかと思っています。

2010年3月16日 11:45

どんな収益不動産が良い物件なのでしょうか?

一番大事なことは、鑑定評価理論でも重要視されています、

   『利用用途が最有効利用の用途かどうか』  

でしょう。

どういうことかと申し上げますと、その場所に相応しい用途で使われている

かどうか、ということです。

どう見ても周辺がマンション等居住用建物が多いエリアに、ポツンと事務所

ビルが立っていたり、逆に、夜のネオンが眩いエリアにポツンと賃貸マンション

が立っていたり・・、というのは最有効利用の用途ではないと考えられます。

たまたま今現在はテナントが入居してくれていますが、数年経って、現在の

テナントがポツポツと退去(解約)した場合、次のテナントが入るかどうか・・、

これは、建物の用途がそのエリアに最も相応しい使われ方をしているもので

あれば、次のテナントは見つけやすいでしょう。

不動産は、株などと比較して、一般的には長期保有することが多いので、

いつでも新規テナントが入居してくれるような物件でないと困るわけです。

この、 『いつでもテナントが入居してくれる』 という状況は、その建物の

用途が、その場所に最も相応しい用途かどうかで判断できます。